あなたはキャリアアップ転職?キャリアチェンジ転職?

これから転職活動を始める人も、すでに転職活動中の人も、まずは、転職によって自分のキャリアをどうしたいのかを考えてみましょう。キャリアをアップさせたいのか?それともチェンジしたいのか?転職の目的が違えば、転職活動の進め方も違ってきます。

キャリアアップ転職で失敗しないために

キャリアアップ転職で失敗しないための5つのルール

ルール1 キャリアプランを明確に立てよう

キャリアアップ転職をするうえで大切なのが、キャリアプランの設計です。

  • (1) 10年後にどうなっていたいのか?
  • (2) そのためには、5年後にどんな仕事をしているべきか?
  • (3) 現職で(1)(2)のキャリアプランを実現できるか?できないとしたら、どんな会社に転職すべきか?

このように、まずは10年後の目標を定め、そこから逆算して、やるべきこととその期限を決めましょう。

たとえば、現在あなたは25歳のプログラマーで、10年後のキャリアプランが、「50人規模のプロジェクトを統括するプロジェクトマネージャーになりたい」だとしましょう。このプランを実現するには、5年後には、小規模プロジェクトのリーダークラスにはなっていたいところです。しかし、現在あなたが所属している会社が請け負っているのは、2次請け、3次請けの案件が主で、下流工程ばかり。10年後、5年後のキャリアプランを実現するのは難しいといわざるをえません。そこで、SEとして要件定義から携われる会社に転職する――。以上のような流れでキャリアプランを立てておくと、応募企業を選ぶしっかりとした軸ができますし、志望動機や自己PRを考える際にも役立ちます。今のスキル向上・専門性の深掘りをめざす場合も、同じようにキャリアプランを考えてみましょう。

転職は、あなたのキャリアプラン=夢や希望を実現するための“手段”にすぎません。転職すること自体が目的にならないよう、キャリアプランはできるだけ具体的に作成することが、転職成功への近道です。

ルール2 自分の望むキャリアアップが可能な企業を探そう

キャリアの方向性を決めたら、自分が望むキャリアアップが可能な企業を探しましょう。たとえば、転職によって仕事の幅を広げて裁量度を高めたいなら、

  • 成果主義を導入している企業
  • 外資系企業
  • 中小企業
  • ベンチャー企業

などに目を向けてみることをおすすめします。こうした企業は、中途採用者に対しても責任ある仕事をどんどん任せる傾向が強いため、短期間でキャリアアップしやすいからです。反対に、官公庁や独立行政法人、年功序列型の大企業などは、キャリアアップのスピードは遅め。コツコツと堅実に成長していきたい人向きといえます。

スキル向上や専門性の深掘りをめざしてキャリアアップをしたい人は、応募企業の求人情報をしっかり読み込んで、その企業が「リーダー候補を求めているのか」、それとも「専門性の高いスペシャリストタイプの人材を求めているのか」を見極めましょう。近年、IT業界や製造業界の求人では、どちらの人材を求めているのか明記する企業が増えています。

ルール3 待遇面にこだわりすぎない

キャリアアップ転職タイプは、ときとして、転職後のポジションや給与に対してかたくなになりがちです。報酬=自分への評価と考えればその気持ちは理解できますが、企業それぞれに事業方針・事業計画があり、昇給や昇進についてのルールがあります。その企業でぜひとも働きたいと願うなら、「絶対に譲れない条件」とともに「譲歩できる幅」も決めておきましょう。ポジションや給与をアップさせることが主目的の転職でない場合は、「入社後に実績を上げて、ポジションや給与をアップさせよう」と、気持ちを切り替えることも大切です。

ルール4 スキルやキャリアは応募企業のニーズに合わせたアピールを

すでに実務経験があるキャリアアップ転職タイプは、自身のスキルやキャリアをただPRするだけでは不十分。企業側は、「あなたができること」ではなく、「あなたが入社後、当社に貢献できる人材かどうか」を知りたいのです。応募先企業が求める人物像や事業の方向性などをしっかり研究して、あなたがこれまでに培ったスキル・キャリアのなかから、企業が求めるスキル・キャリアを厳選してアピールするようにしましょう。「あなた」=「応募先企業が求めているスキル・キャリアを持っている人材」だと印象づけることができれば、ライバルたちに大きく差をつけることができます。

ルール5 適応力ややる気もしっかりと伝えよう

実務経験者が案外忘れがちなのが、柔軟さや適応力といった“ソフト面”のアピールです。採用担当者に「スキルやキャリアは申し分ないけれど、ほかの社員とうまくやっていけるのか?」と心配されないよう“適応力”も伝えましょう。自己PRの後に、「これまでの経験を活かしつつ、入社後は御社ならではの業務の進め方についてもしっかり学びたいと考えています」という具合に柔軟さと謙虚さが伝わる一言を添えると、好感度がアップします。

また、「スキルやキャリア同様に、その人のやる気や熱意を重視する」という採用担当者は少なくありません。自分のできることばかりを伝えるのではなく、応募先企業を志望する理由や、入社後にどのように貢献し、成長していきたいかについて、情熱を持って伝えましょう。